いわき日誌 その1
やあ、汝ら。
昨日はブログ更新できなくてメンゴメンゴ(最新の流行語)。
なんで更新できなかったかと言うとだね、ちょっと旅行をしていたのですよ。
旅先は、パリ・ロンドン・いわき・ミラノと並び称される、福島県いわき市なんですけども、「ホテルでPC借りて、LANなりwifiなり使って…」と考えてたんだが、どうも、文明が20年ほど前から発達してないようで、接続する手段が無かったのですよ。
何が凄いかって、そのPC貸し出しもLAN接続もできない宿の一階に本棚があって、「ご自由にお読みください」と大量のマンガが並んでたんですけども、それが『コータローまかり通る!』とか『沈黙の艦隊』とかなのですよ。いや、もうね、読みたいんですよ。正直、ツボを押さえてるんですよ。ただ、そのツボが、海部首相の頃のツボなんですよね。
まぁ、そんなわけで色濃く20世紀を残す宿だったわけですが、逆に、また泊まると思います。
さて、いわきと言うと、これで知られる街であります。
↑
クリックでリンク先へ
このスパリゾート・ハワイアンズが、浦安のアメリカネズミ園のように君臨する街。
あの辺は、もともと石炭と漁業で知られる土地だったんですが、昭和のある時期に、もう石炭はダメだと。終わりだと。じゃあ炭鉱から観光へ…という発想で、常磐ハワイアンセンターが開業したわけです。
ハワイとは何の関係も無い土地に開業したのに何故か成功してしまったので、歴史家の間では帝銀事件や三億円事件に並ぶ昭和史最大級の謎と位置付けられています。
で、こちらの施設。
スパや温水プール的な物、ダンスやショー、飲食施設のみならず、ホテル4棟やゴルフ場も併設する、一大テーマパークとなっております。スゲェのよ。人口9万人ぐらいの街で、年間160万人の客を呼んでるんだから。
ところが、「常磐ハワイアンセンター」という「浅草橋ヤング洋品店」クラスの名称を、いつの間にか「スパリゾート・ハワイアンズ」と改名して常磐色を消し、どこにある施設かウヤムヤになっている事に象徴されるように、永らく、いわき市自体は「ハワイアンズは知ってるが、他に何があるんだよ」って状態でありました。
で、アクアマリンなど他の施設が出来たりして「今後がんばるべー」と言ってた矢先に東日本大震災ですよ。
最初の脅威は地震。次の脅威は津波。その次は火災。
多くの人命が失われ、家屋もインフラも地域社会も、農業も漁業も商業も工業も大ダメージを受け、そこから立ち直ろうとした時に原発事故。これが決定的だった。
ハワイアンズは、震災後数か月で「きづなリゾート」と名乗って営業再開し、相変わらず東南アジアで商売やってる華僑のおっさんのようなたくましさを見せつけたわけですが、農林漁業は大変ですよ。
原発ちゅーても、別にね、いわき市に原発が建ってたわけでもなく、極論を言えば「なんともなかった」。
ただ、原発事故の真の恐ろしさは、風評と断絶なわけです。
「なんかヤバそう」という根拠なき風評。
しかし、それに対し「うるせぇボケ、キチガイが」と言い返すと「なんだと、この原発ムラめ!」とか返って来るわけで、もはや話が成立しなくなってしまう。この断絶こそが一番ヤバイ。
……ってなわけで、いわきで「地元の農と食とのあり方とかを語ったり考えたりするアレ」があったので、地元でもないし農とも食とも一切関係が無いんですけども、観に行ってみたわけですよ。
こーゆー断絶を何とかしようという試みは、「ホットスポット」となった千葉県柏市で先行事例がありまして。
これまでもツイッターなどで何度か紹介してきましたが、こちらの本に詳細が記されております。
↑
これはリアルにオススメです
これに携わった五十嵐泰正さんに連れて行ってもらったわけです。
このような感じの方で、筑波大の先生であると同時に、私の中では、全裸中年男性クラスタ名誉会員として認識しております。
柏の場合は、
①地産地消で消費できる人口規模
②質が保証されれば充分な値を付ける飲食店などが豊富
③東京近郊ベッドタウンには珍しく、街づくり系の若手集団グループが震災前から機能していた
④こういう民間施設を立ち上げた人など、人材豊富
など、条件が整ったため、前向きな解決策模索ができたわけですな。
有機野菜を農家から買うなどの「こだわりが強い層」こそが、「ホットスポットの野菜は不安だ」と買い控えたため、逆に言えば、そういう「こだわりの強い層」には、農家の熱心な取り組みやデータを明示すると、響く。
さて、いわきの場合はどうすんべ・・・と。
そんな事を考えながら、小名浜(おなはま)港にほど近い小名浜公民館を訪れたわけですが、
こういうのが設置されてまして。
これねー、きょうび見なくなった有害図書廃棄BOXなんですが、港町にはあるんですよ。
今や電子の時代ですよ。たとえば男子中学生が持ってるスマホなんて、履歴調べたら世界中のセクシー美女画像に繋がりますとも。かつて、そんなのはドンファンだけに許された特権でしたけども、いまや中坊が世界中の女を語る有様。一方、紙媒体は「ベッドの下に隠しても母親に見つかる」という危険を孕んだインターフェースゆえに忌避されているわけです。
ゆえに、河原や神社に棲息していた野性のエロ本が絶滅の危機に瀕しており、「友達の兄ちゃんが、友達におさがりを渡し、それを自分がもらい、さらに後輩に受け継ぎ…」という壮大な輪廻の世界観も、もはや電子に取って代わられてしまったのです。
しかし、もう一度言いますが、港町にはあるようなのです。
どうも海の男たちの間では「長いこと海上にいて、電波が届かなくても、紙媒体で持ってれば確実」というニーズがあるそうで、海の男たちが港に帰って捨てた物を中学生が拾うという、漁船が水揚げしたオコボレをウミネコが狙うのと似た関係が築かれている模様。
ゆえに、小名浜も、有害図書BOXが現役稼働しているのでしょう。
えー、何の話でしたっけ。
ああ、農と野菜の話?
そんなの明日で良いだろ。
(つづく)
昨日はブログ更新できなくてメンゴメンゴ(最新の流行語)。
なんで更新できなかったかと言うとだね、ちょっと旅行をしていたのですよ。
旅先は、パリ・ロンドン・いわき・ミラノと並び称される、福島県いわき市なんですけども、「ホテルでPC借りて、LANなりwifiなり使って…」と考えてたんだが、どうも、文明が20年ほど前から発達してないようで、接続する手段が無かったのですよ。
何が凄いかって、そのPC貸し出しもLAN接続もできない宿の一階に本棚があって、「ご自由にお読みください」と大量のマンガが並んでたんですけども、それが『コータローまかり通る!』とか『沈黙の艦隊』とかなのですよ。いや、もうね、読みたいんですよ。正直、ツボを押さえてるんですよ。ただ、そのツボが、海部首相の頃のツボなんですよね。
まぁ、そんなわけで色濃く20世紀を残す宿だったわけですが、逆に、また泊まると思います。
さて、いわきと言うと、これで知られる街であります。
↑
クリックでリンク先へ
このスパリゾート・ハワイアンズが、浦安のアメリカネズミ園のように君臨する街。
あの辺は、もともと石炭と漁業で知られる土地だったんですが、昭和のある時期に、もう石炭はダメだと。終わりだと。じゃあ炭鉱から観光へ…という発想で、常磐ハワイアンセンターが開業したわけです。
ハワイとは何の関係も無い土地に開業したのに何故か成功してしまったので、歴史家の間では帝銀事件や三億円事件に並ぶ昭和史最大級の謎と位置付けられています。
で、こちらの施設。
スパや温水プール的な物、ダンスやショー、飲食施設のみならず、ホテル4棟やゴルフ場も併設する、一大テーマパークとなっております。スゲェのよ。人口9万人ぐらいの街で、年間160万人の客を呼んでるんだから。
ところが、「常磐ハワイアンセンター」という「浅草橋ヤング洋品店」クラスの名称を、いつの間にか「スパリゾート・ハワイアンズ」と改名して常磐色を消し、どこにある施設かウヤムヤになっている事に象徴されるように、永らく、いわき市自体は「ハワイアンズは知ってるが、他に何があるんだよ」って状態でありました。
で、アクアマリンなど他の施設が出来たりして「今後がんばるべー」と言ってた矢先に東日本大震災ですよ。
最初の脅威は地震。次の脅威は津波。その次は火災。
多くの人命が失われ、家屋もインフラも地域社会も、農業も漁業も商業も工業も大ダメージを受け、そこから立ち直ろうとした時に原発事故。これが決定的だった。
ハワイアンズは、震災後数か月で「きづなリゾート」と名乗って営業再開し、相変わらず東南アジアで商売やってる華僑のおっさんのようなたくましさを見せつけたわけですが、農林漁業は大変ですよ。
原発ちゅーても、別にね、いわき市に原発が建ってたわけでもなく、極論を言えば「なんともなかった」。
ただ、原発事故の真の恐ろしさは、風評と断絶なわけです。
「なんかヤバそう」という根拠なき風評。
しかし、それに対し「うるせぇボケ、キチガイが」と言い返すと「なんだと、この原発ムラめ!」とか返って来るわけで、もはや話が成立しなくなってしまう。この断絶こそが一番ヤバイ。
……ってなわけで、いわきで「地元の農と食とのあり方とかを語ったり考えたりするアレ」があったので、地元でもないし農とも食とも一切関係が無いんですけども、観に行ってみたわけですよ。
こーゆー断絶を何とかしようという試みは、「ホットスポット」となった千葉県柏市で先行事例がありまして。
これまでもツイッターなどで何度か紹介してきましたが、こちらの本に詳細が記されております。
↑
これはリアルにオススメです
これに携わった五十嵐泰正さんに連れて行ってもらったわけです。
このような感じの方で、筑波大の先生であると同時に、私の中では、全裸中年男性クラスタ名誉会員として認識しております。
柏の場合は、
①地産地消で消費できる人口規模
②質が保証されれば充分な値を付ける飲食店などが豊富
③東京近郊ベッドタウンには珍しく、街づくり系の若手集団グループが震災前から機能していた
④こういう民間施設を立ち上げた人など、人材豊富
など、条件が整ったため、前向きな解決策模索ができたわけですな。
有機野菜を農家から買うなどの「こだわりが強い層」こそが、「ホットスポットの野菜は不安だ」と買い控えたため、逆に言えば、そういう「こだわりの強い層」には、農家の熱心な取り組みやデータを明示すると、響く。
さて、いわきの場合はどうすんべ・・・と。
そんな事を考えながら、小名浜(おなはま)港にほど近い小名浜公民館を訪れたわけですが、
こういうのが設置されてまして。
これねー、きょうび見なくなった有害図書廃棄BOXなんですが、港町にはあるんですよ。
今や電子の時代ですよ。たとえば男子中学生が持ってるスマホなんて、履歴調べたら世界中のセクシー美女画像に繋がりますとも。かつて、そんなのはドンファンだけに許された特権でしたけども、いまや中坊が世界中の女を語る有様。一方、紙媒体は「ベッドの下に隠しても母親に見つかる」という危険を孕んだインターフェースゆえに忌避されているわけです。
ゆえに、河原や神社に棲息していた野性のエロ本が絶滅の危機に瀕しており、「友達の兄ちゃんが、友達におさがりを渡し、それを自分がもらい、さらに後輩に受け継ぎ…」という壮大な輪廻の世界観も、もはや電子に取って代わられてしまったのです。
しかし、もう一度言いますが、港町にはあるようなのです。
どうも海の男たちの間では「長いこと海上にいて、電波が届かなくても、紙媒体で持ってれば確実」というニーズがあるそうで、海の男たちが港に帰って捨てた物を中学生が拾うという、漁船が水揚げしたオコボレをウミネコが狙うのと似た関係が築かれている模様。
ゆえに、小名浜も、有害図書BOXが現役稼働しているのでしょう。
えー、何の話でしたっけ。
ああ、農と野菜の話?
そんなの明日で良いだろ。
(つづく)
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